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びらとりで新規就農された先輩たちをご紹介します もどる すすむ
 北海道はあこがれの地。びらとりトマトに出会い就農を即決
 「毎日朝早くから出勤して、仕事を終えて家に帰るのは深夜。子どもたちとの会話もできなかったんです」
大阪で弁当店の店長をしていた香田文雄さんが、就農を考えるようになったのは、そんな多忙な日々の中でした。
 「忙しすぎて家族と接する時間が少なくなってしまい、このままで良いのか悩んでいました。農業なら、家族みんなで働けるし、やり甲斐もあるんじゃないかと思って」
 就農するために文雄さんが選んだのは、北海道でした。
 「中学生の頃から松山千春さんが大好きで、オールナイトニッポンをよく聴いてました。その時から北海道にあこがれていて、将来住みたいと思っていました」
 大阪で開催された『北海道新規就農相談会』に奥さんの理世(みちよ)さんと一緒に参加、そこではじめて耳にした平取という名前の町でしたが、「『ぼくが探していたのはこの町だ!』って感じでしたね」
 トマト栽培による新規就農対策を推進している町なら、とすぐに気持ちが固まったそうです。
 様々な苦難に直面し、家族の絆を再確認
 平成12年から受入農家の仲山浩さん(現JAびらとり組合長)のもとで研修を開始。
「仲山さんにはトマト栽培に関するあらゆる事を、厳しく指導していただきました。最初は、慣れない農作業の毎日に『辛い』と思うことも多々ありましたが、この時の経験が今、活きています」
 その後、実践農場での研修を経て、農業開発公社のリース事業によりビニールハウス、トラクター等を導入し、平成14年に就農。
「就農後5年間は、リース農場のリース料の支払いに追われ大変でした。就農当初は、トマトの後作としてきゅうりを栽培していたんですが、作業が追いつかなくて、うまくいかなかった。結局2年栽培して、きゅうりはやめてしまいました」
 様々な苦労がありながらも、平成19年には念願の住居を新築しました。
「家を建てることは目標の1つでした。栽培ハウスのすぐ近くに建てることが出来たので、トマトの管理が効率的になったのと、冬でも暖かく快適な暮らしが出来るのが良いですね」
 また同じ年に、新規就農者の親睦組織『新芽会』を立ち上げるなど精力的に活動してきた文雄さんですが、平成20年に大病を患い、長期入院を余儀なくされました。
「高熱が続いたので病院で受診したら、即入院。忙しい時期に2ヶ月間入院した後3ヶ月間の自宅静養で、この間働けなくなってしまって。この時は、地域の人たちや新規就農の仲間たちに、なにかと助けてもらいました。感謝しています」
 家族の絆も更に強くなった気がする、と言います。
 家族みんなで農園を大きくしたい
 香田さん一家はご夫妻、お母さん、お子さん3人の6人家族。
家族揃って社交的な性格で、地域の活動にも積極的に参加しています。
 「就農については初めは主人が考え、正直なところ不安もたくさんありました。でも、腹をくくってがんばるしかない、と」と語る、明るく働き者の理世さん。その仕事ぶりは近隣農家の奥さんたちが唸るほど。体を動かすのが大好きな理世さんは、お子さんたちと共に『義経なるこ会』に所属し、YOSAKOIソーラン踊りを楽しんでいます。また、地域の人たちとミニバレーボールチームを作り、週2回の練習にも欠かさず参加しています。「YOSAKOIやミニバレーを通じてたくさんの人たちとの交流が深まり、元気の源となっています」
 長男の剛さんは、滋賀県にあるタキイ研究農場付属園芸専門学校を卒業し、後継者として戻って来ました。長女の智美さんも高校を卒業し、就農しました。
「子どもたちが大きくなって、農業を一緒にやれるのは嬉しい」と文雄さん。
「労働力も増えましたし、栽培ハウスを3,000坪程度までに増やしたい。一度はやめてしまったきゅうりの栽培も、またやりたいです。家族みんなで、香田農園を大きくしていきたいですね」